樫野有香 / Perfume
訳出元: http://ladygunn.com/music/perfume-takes-on-the-world-and-the-universe
LADYGUNN 12月6日掲載
執筆者: Erica Russell
直接会ってみると、Perfumeはまさに私が想像していた通りの人たちだった。ふんわりと美しく、ごく自然にオシャレで、天真爛漫な、のっち(大本彩乃)、あ~ちゃん(西脇綾香)、かしゆか(樫野有香)。ソールドアウトとなった、ニューヨーク・ハマースタイン・ボールルームでのショウを前に、私が腰を下ろして語らった時の喜び。私たちの会話は言葉の壁が邪魔にはなったけれど、ファッションから国際的なファンについてまで、あらゆることに及んだ。
広島出身で、東京を拠点に活動するPerfumeは、BABYMETAL、宇多田ヒカル、きゃりーぱみゅぱみゅのように、いくつかのJ-Popアーティストが到達したエリート級の国際的な成功を西洋の音楽市場で成し遂げ、アメリカでのファン層の拡大を続けているー 彼らは日本国内のファンに負けず劣らず熱狂的で情熱的で、この成功を裏付けている。驚くことではないが、前述のファンたちの前で、エネルギッシュ、ダンス指向で有名なライブを展開する時、彼女たちはもっとも力を感じるという。
「踊ってる時に、すっごく心の中で感じるんです」のっちが通訳を介して答える。そうした観客の反応が、彼女と他のメンバーを勇気づけると教えてくれ、「あんまり自分に自信が持てない時って、お客さんを見渡して、その中に笑顔を見つけるんです。私のまわりや、目の前とか。どれくらい盛り上がってるかな、って」
日米のファンの違いについて尋ねた時、このエレクトロポップグループが教えてくれたのは、双方のファン層が異なる曲に惹かれているだけでなく、観客としての行動もまた、文化的な色を映すようだ、ということだった。
「アメリカのファンの人たちって、すごく自分たちの感情に正直ですね。代わりに日本のファンの人たちは周りに合わせて抑えがちというか、あまり興奮を表に出さないっていうか」かしゆかが説明する。「日本の観客の前でパフォーマンスする時、それは「私たち三人と、みんな」なんですけど、アメリカだと「私たち三人と、ひとりひとり」なんです」
アメリカにおける彼女たちの人気は、きらめくリリースごとに急速に拡大しているが、それも不思議なことではなく、3人のパフォーマーは英語を習得中だ。
日本国外の国際的な市場でブレイクするために最も困難な点は、いうまでもなく言葉の壁。彼女たちは(英会話の)レッスンのおかげで、前回のアメリカツアーよりも、現在はより深みを持って理解できているようだと教えてくれた。しかし彼女たちはまだ、感じたことやその全てを英語で伝えることは出来ず、それがちょっとした苛立ちのようだ。にもかかわらず、ファンと心が繋がった時、それが彼女たちをよりハッピーに、そして励ましてくれるのだという。
のっち、かしゆか、あ〜ちゃんを突き動かすものが献身的なリスナーたちであるいっぽう、彼女たちを結びつけるもの、それは友情(”yuujou”)だ。
「私たちは友達なんですけど、でも。それ以上のものを持っとるというか。もっと、家族っぽいんです」あ〜ちゃんが語る。「でもおんなじように、同時に働く関係性もあるというか、あります。私たちの間にはいろんなことがあるんですけど、夕食に出かけたり、一緒に飛行機に乗っとる時は、友達っぽいかなあ」「すっごく楽しいよね」のっちが付け加え、「どうしてかっていうと、私たち、一緒に歳をとって、一緒に同じ景色を見てきましたから。言葉がいらないんです。お互いに顔を見渡して、同じ理由で笑い始めたりできるし」
「私、他の誰ともツアーしたことないけど、もしもそっちがもっと楽しかったらどうする?」かしゆかが皮肉っぽく言って、友達の三人は笑い始める。
私が彼女たちに、共に過ごしてきた中で一番変化したことは何?と尋ねると、15周年を迎えたPerfumeは再び笑って、自分たちの年齢を教えてくれ、「私たち、こんなに長いこと一緒にいるなんて思わんかった!でも、今でも毎日、おかしなことでおんなじように笑い合ってますね」
2016年4月、Perfumeは5枚目となるスタジオアルバム『Cosmic Explorer』をリリースした。きらきらと輝く宝石のようなシンセ・ダンス・ポップのコレクションには、レコーディング終了までアルバム名が付けられていなかったのだとPerfumeは明かしてくれた。『Cosmic Explorer』という名の最後の曲が収録されると、それはたちまち運命のように、広大な銀河を渡るビートとポップの開拓者たちの新たな音色(ねいろ)の完璧な礎となった。
私は練習した日本語で、好きな曲は『STAR TRAIN』だと彼女たちに伝えた。喜びに満ちた、躍動感のある、メロディアスなエレクトロポップで、ここアメリカのTOP40も簡単に射程に収めるんじゃないの、と私は想像する。メインストリームのラジオ局が、言葉の壁を少しばかり緩めてくれさえすれば。
かしゆかにとって、お気に入りの一曲は『Baby Face』。「私たちのラブソングって、基本的には密かに思ってる年上か、同い年の誰かについてなんですけど、これは年下の男の子で、歌詞もすごく可愛くて。歌うのが楽しいんです!」「私は『FLASH』が好き」のっちが答え、「一回のライブで、この一曲のためだけに60%ぐらいのエネルギーを使うんです」あ〜ちゃんはタイトル曲である『Cosmic Explorer』が好きだという。なぜなら「とんでもなく大きな曲で」彼女は説明し「何世代も何世代も海を眺めているみたいな。すごく普遍的な歌だと思う。まだ見ぬ冒険みたいな ー 私たちの夢やモチベーションと歌詞がシンクロしてますね」
それは確かに普遍的な物語で、このアルバムの残りの部分とも通底するテーマだ。リスナーは国籍や言葉、年齢を超えて自分自身をそこに投影できるだろう。そして、まさにその通りなのだけれど、Perfumeにみんながこのアルバムを聴いた時に何を感じて欲しいかと尋ねたら、彼女たちはにっこりと笑って、ただシンプルに「幸せです」と答えてくれた。
「私たち、みんなに踊って欲しくて」のっちが言って「朝に聴いて、一日を元気に過ごして欲しいなって思います」
管制室よりコスミック・エクスプロラーへ:ミッション完了。
